2015年1月10日土曜日

Follow Through and Overlapping Action(フォロースルーとオーバーラッピングアクション)

さて次のアニメーションの原則は

フォロースルーとオーバーラッピングアクションです!

Drag(ドラッグ-引っ張る等の意) やSettle(セトル-落ち着く、その場に収まるなどの意)Overshoot(オーバーシュート-止まるポーズよりちょっと先に行って戻ってくる動き)なんかもよく使われる言葉ですねこのトピックで。


「動き」というものを理解するうえではとても大事な原則です。物理的により現実に近い動きをアニメーションで表現するためには欠かせないテクニックです。

簡単に言うなら

何かが動き出し止るとき
全てのパーツが同時に動き出し
全てのパーツが同時に止まる
って事はない!

という概念です。

ないんです!(それが一つの堅い物体とかでない限りは、またはそういうスタイルでない限りは)



たとえばこの動画を見てください。




振り子ですね。もしこの振り子に関節とかなくて堅い一つの物体だとしたらこういう動きをしても問題ないのかと思いますが。

間接が動く場合はオーバーラッッピングアクションとフォロースルーが発生します。



動きの原動力は一番上の部分にあるのでその下の関節たちが時間差で影響され始め、
止まるときも時間差で止まるという感じです。


スローインスローアウトで説明に使ったこちらの振り子の動画ですが。



これもオーバーラップさせることでよりやわらかいというか自然な動きになりますね。

 

(でどのくらいのオーバーラップを入れるかというのもこれも、自分がアニメートしている物体によって変わります。)




では、簡単な振り子が左から右に行くという動作を使ってこの概念を説明してみましょう。(上手くできるかな?)



このサンプル動画はシンプルに静止した振り子が左に向かって動き完全にストップするという一連の動きなんですが。

まず動き出すとき




 この画像のように一番上が原動力(DrivingForce)ですね。この振り子という物体が動くためのエネルギーを発しているのはこの一番上の部分です。どこが原動力を発しているのか?というのはアニメーションをつける上でとても大事なので動きをつけるときはこういう事を意識するのが良いです。簡単に物理の基礎を知っておくと良いというのは、こういう時に物理の基礎をわかっているとどこが原動力か等の理解がしやすくなります。(私も物理とか完全には良くわかりませんがね!笑)

たとえば車だったらエンジンが原動力です。落ちてくるボールだったらそれは重力なのですね。

この場合、振り子の一番上に何か動くエネルギーを発するものがありそれが動いているという風に思ってくださいその下の関節には原動力はないのでただただ上のものが動いていたらそれに影響されるだけになります。

ではこれが右に向かって動き出していきます。



すると、下の部分の関節が曲がってDragしはじめます。他の部分が遅れて出発するという感じですね。

で、ここで大事なのは最初にスタートした地点を他の部分が超えてはいけないということです。どういうことかというと↓こういうことです。


で、無事に動き出したら直進します。


直進すると静止するまではこの形をしばらくキープします。

で、この、動いてる最中のポーズはのろのろと動いているとすこし曲がってる感じ(画像内の緑色のポーズみたいに)早く動いていると青色の感じで沢山後ろにDragします。

たぶん振り子が重力によって戻ろうとする力と、すすんでるスピードによって前から来る抵抗の力の関係がどうたらこうたらだったと思います。この辺のことを学びたい方は私の恩師アレハンドロガルシア先生が物理の凄い先生なのに、アニメーションが大好きで、アニメーターのための物理の授業を作っちゃった人なので。教えてくれます。(英語だけど)

さて、こうして、動き出して、直進して、次は止まらねばなりません。


で一番上の原動力であった部分がまずストップします。しかし、右方向へ行くエネルギーがあった下の関節部分たちは、そう簡単には止まれません。なので、右に行き続けます。ここでOverShootという現象が起きます。止まるべきポーズを超えてもっと右に行ってしまいます。で、この時点で一番下の部分はまだDragしてます。

これで、右左、右左という動きのふり幅がだんだんと小さくなり完全に静止するのですが。




 一番上から止まっていきます。そしてそれに影響を受けていた下の部分が順番に止まっていきます。そして完全に停止します。

(この順番というのも、1-2フレームくらいのずれで起こったりもするので、目で見てわからないときもあるかもしれないですし。24fpsくらいだと1フレームのうちにそれが起こる事もあるので、一緒に止まっちゃったりすることもあります。)

と、簡単にオーバーラップの説明をして見ましたが、オーバーラップの練習をするにはやっぱり振り子が手っ取り早いかな?と思います。

ー左右に揺れる振り子が静止する。
ー左右に揺れる振り子のサイクル
ー適当に一番上の動きをつけてみてそれにあったオーバーラップを入れてみる。(一番最初に紹介した動画とかがそうですね。オーバーラップ入れる前 入れた後

で、この編ができるようになったら、人間リグの腕だけアニメートしてみるとか。ですね。腕はまた、筋肉があるので、無機物みたいな動きはしませんので、応用編という感じでしょうか?


こういうオーバーラップの概念というのは、髪の毛とか、太った人の贅肉だったり、大きな胸、揺れもの系に目が行きがちでもちろん、そういうのはオーバーラップする代表的なものであり目が行きがちなのも仕様がないのですが。

動きの原動力がどこで、それに影響を受けて他のどの部分が動くのかということに注意することでこの概念はキャラクターの体全体にも使われますし。ただたんに髪の毛とか揺れてるものに使えばいいとか言う単純なものでもないです。

(たとえば腰と上半身の関係。首と頭。肩から指先にかけてなどなど。何が動く為のエネルギー源を発しているかというのをよく注意して考えながらアニメートすると良いです。)



あと、英語のわかる人はこのブログを見る必要なんてないので「もう有名な動画だよ!」と思うかもしれませんが。こちらがオーバーラップについて本当にわかりやすく説明してあるチュートリアルです。ただ英語がわからなくても見ているだけでもなんとなくわかるとは思います。





私はこのビデオを見た時目からうろこ状態でした!



さてさて、そろそろアニメーションのオンラインクラスで忙しくなりそうなので残りの原則は4月以降になるかもしれません。

ですが、オンラインクラスで学んだことややちょいちょい小さな記事などはアップしていきますのでよろしくお願いします!



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